投資信託

eMAXIS Slimとは?つみたてNISAでも人気のインデックスファンドについて解説

着実な資産形成を考えた時に、投資初心者から玄人まで幅広い層におすすめな投資信託。

最近では、投資信託の非課税制度「つみたてNISA」も始まり、証券会社を覗くとたくさんの種類の投資信託が販売されています。

その中でもかなりオススメなのが、eMAXIS Slimシリーズの投資信託です。

様々な人の投資方針に合うように商品ラインナップが多く、業界内でも最安のコストで運用することができると非常に魅力的です。

そこでこの記事では、投資信託の中でも人気なシリーズ「eMAXIS Slim」について、その種類や信託報酬、実質コストなど詳しく解説していきます。

emaxis slimは業界最低水準のコストを維持するファンド

eMASIS Slim(引用:https://emaxis.jp/

emaxis slimシリーズは、三菱UFJ国際投信が設定・運用する投資信託です。

コンセプトは『業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続ける ファンド』で、非常に低いコストで運用ができるのが特徴です。

このシリーズには、11種類のラインナップがあり、そのうち9つがつみたてNISAの対象となっています。

emaxis slim商品一覧

emaxis slimシリーズ一覧信託報酬-年率(税込)純資産総額つみたてNISA
国内株式(TOPIX)0.1674%79.00億円
国内株式(日経平均)0.1674%14.84億円
国内債券インデックス0.1296%38.85億円×
先進国株式インデックス0.11772%423.89億円
先進国債券インデックス0.1836%37.92億円×
新興国株式インデックス0.2041%157.93億円
米国株式(S&P500)0.1728%169.95億円
全世界株式(除く日本)0.15336%53.95億円
全世界株式(オール・カントリー)0.15336%31.52億円
全世界株式(3地域均等型)0.15336%9.86億円
バランス(8資産均等型)0.17172%245.96 億円

emaxis slimシリーズは全て購入時手数料・信託財産保留額はかからないので必要なコストは「信託報酬」だけです。

そして、その唯一かかる手数料「信託報酬」はどれも0.1%〜0.2%という驚異の低さです。

emaxis slim商品の概要

emaxis slimシリーズは、全部で11種類の投資信託があります。

それぞれ投資方針の違う運用をしているので、大まかにそれぞれの投資信託の特徴をまとめて紹介してきます。

eMAXIS slim国内株式(TOPIX)

東証株式指数(TOPIX)と連動した投資成果を目指すインデックス型投資信託です。

東証株式指数(TOPIX)とは、東証一部上場株の約2,100銘柄の時価総額の変化を指数として表したものです。

他にも代表的な株価指数に「日経平均株価」というのがありますが、日経平均は東証一部上場株の225銘柄を対象したものです。

そのため、TOPIXの方が日本株に幅広く投資(分散投資)することができて、日本の株式に広く投資したい人おすすめです。

eMAXIS slim国内株式(日経平均)

日経平均株価(日系225)と連動した投資成果を目指すインデックス型投資信託です。

TOPIXは約2,000銘柄が対象の指数ですが、日経平均は225銘柄が対象の指数で、分散性という点ではTOPIXが優れています。

しかし、TOPIX指数は[株価×発行済株数]で、日経225は[225銘柄の合計株価÷225]で算出されます。

そのため日経平均の方が値動きが活発になりがちで、より高いリターンが見込める可能性があります。

eMAXIS slim国内債券インデックス

国内の債券市場に分散投資するインデックス型投資信託です。

株式と比べて値動きが穏やかでリスクの少ない債券市場を対象とした投資信託なので、リスクの高い株式の投資信託と合わせて保有するとリスク分散になります。

リスクをできるだけ抑えて資産運用したい人におすすめです。

eMAXIS slim先進国株式インデックス

日本を除いた先進国株式に分散投資するインデックス型投資信託です。

投資先の内訳は、約70%がアメリカで20%がユーロ圏、10%がオーストラリアやカナダなどの国の株式で構成されています。

実質的には、ほとんどアメリカ株への投資とも見えますが、経済規模で考えればこの比率もおかしくはないのかもしれません。

eMAXIS slimシリーズの中で最も人気の投資信託で、信託報酬も低コストなのでおすすめです。

eMAXIS slim先進国債券インデックス

日本を除いた先進国の債券市場に連動した投資成果を目指すインデックス型投資信託です。

株式を対象とした投資信託よりも安定した値動きが期待でき、低リスクでの運用が期待できます。

【国内債券インデックス】と同じく、リスク分散として株式の投資信託と組み合わせて設定するのがおすすめです。

eMAXIS slim新興国株式インデックス

中国をはじめとした新興国株式に分散投資するインデックス型投資信託です。

「新興国」とは言え、投資先の内訳は中国・韓国・台湾・インド・ブラジルの順で多く、この5カ国で全体の70%を占めています。

【先進国株式インデックス】と同じく、非常に低いコストで運用できるのが魅力的です。

eMAXIS slim米国株式(S&P500)

アメリカ株式市場の代表的な指標『S&P500』に連動した投資成果を目指すインデックス型投資信託です。

『S&P500』とは、日本の日経平均株やTOPIXと同じような指標で、アメリカの主要な大型株500銘柄を対象とした指標です。

『S&P500』対象の500銘柄はアメリカ株価市場の70%程度をカバーしているためこれまでのアメリカ経済と同じような力強い動きをしてきています。

アメリカ経済全体に投資したい人には非常におすすめの1本です。

eMAXIS slim全世界株式(除く日本)

日本を除く先進国、新興国の株式市場を投資対象としたインデックス型投資信託です。

構成比率としては8:2で先進国株式の方が多いですが、新興国市場の動きは不安定なので比率としては適切でしょう。

投資対象に日本の株式は含まれていないので、すでに国内株式や不動産などの資産を日本に持っている人におすすめす。

eMAXIS slim全世界株式(オール・カントリー)

日本を含む先進国、新興国の株式市場を投資対象としたインデックス型投資信託です。

eMAXIS slimシリーズは「日本を除く」投資信託がほとんどでしたが、2018年11月に新しく設定されました。

世界各国に均等に投資するという意味の「全世界」ではないですが、これ一つで主要な国々の株式に分散投資ができるので非常におすすめです。

eMAXIS slim全世界株式(3地域均等型)

日本・先進国・新興国の3地域の株式を投資対象としたインデックス型投資信託です。

その内訳をもう少し解説すると、【eMAXIS slim国内株式(TOPIX)】【eMAXIS slim先進国株式インデックス】【eMAXIS slim新興国株式インデックス】を33%:33%:33%で組み合わせた投資信託と言えます。

構成する3つの投資信託が気になっている人は、これ1つ買えば解決ですね。

ちなみにeMAXIS slimシリーズの中では一番人気のない商品とのこと。

eMAXIS slimバランス(8資産均等型)

日本および世界の株式、公社債および不動産投資信託証券(リート)の計8資産に分散投資を行うインデックス型投資信託です。

株式だけでなく債券や不動産まで投資対象に含まれるので、安定した値動きでリスクを低く抑えた運用が期待できます。

【先進国株式インデックス】に次いで人気商品で、面倒なことはわからないけどとりあえず分散投資がしたい人にはおすすめの1本です。

eMAXIS Slimシリーズの実質コストを見る

投資信託にかかるコスト(手数料)は、「信託報酬」として事前に確認できます。

しかし、実際に運用していくと株式売買委託手数料や、保管費用、印刷費用などの、信託報酬とは別にかかるコストがあり、実質的なコストはもう少し高くなります。

投資する前に実際のコストを把握するのは重要なのでしっかり確認しましょう。

eMAXIS Slimシリーズの実質コスト一覧

emaxis slimシリーズ一覧信託報酬実質コスト
国内株式(TOPIX)0.1674%0.173%
国内株式(日経平均)0.1674%0.176%
国内債券インデックス0.1296%0.132%
先進国株式インデックス0.1177%0.197%
先進国債券インデックス0.1836%0.207%
新興国株式インデックス0.2041%0.389%
米国株式(S&P500)0.1728%不明
全世界株式(除く日本)0.1533%不明
全世界株式(オール・カントリー)0.1533%不明
全世界株式(3地域均等型)0.1533%不明
バランス(8資産均等型)0.1717%0.2331%

実質コストは信託報酬よりも少し高くなりますが、それでもかなりの低コストを実現しています。

ここで「不明」となっているのは、まだ公式に運用報告書が出ていないため正確な数値はがわからないからです。

とは言え、業界最低水準の運用コストを目指しているeMAXIS Slimシリーズです。

「類似の投資信託よりめちゃくちゃ手数料が高い」と言うのはなかなか考えにくいでしょう。

また運営報告書が出たら調査したいと思います。

実質コストの見方は運用レポートから

実質コストは、公式で発表される運営報告書で確認することができます。

実質コスト計算

eMAXIS Slimシリーズは度々信託報酬の引き下げが行われ、運営報告書の情報では古すぎる事もしばしば。

そんな時は運営報告書から計算して実質コストの予測をする事もできます。

今回の例に出した投資信託の信託報酬は0.176%、実質コストは0.312%です。

0.312%ー0.176%=0.136% ←その他コスト

運営報告書の対象期間は【2017年7月31日~2018年4月25日】で423日間と1年ではないです。

そこで、423日で割って1日あたりの隠れコストをだし、365日をかければ年間の隠れコスト導き出すことができます。

あとは改定された信託報酬に足せば実質コストを導けます。

まとめ:つみたてNISAにおすすめシリーズ

運用コストの低いeMAXIS Slimシリーズは、長期的な視野を持った資産形成をお考えの方にはおすすめの投資信託です。

とういうのも、長期間の運用になればなるほど継続的にかかるコスト(信託報酬)は嵩むため、信託報酬の高さが利益を押し下げる要因になります。

そのため、できるだけ低いコストで運用できればリターンもその分大きくなるからです。

つみたてNISAやiDeCoをお考えの人にはeMAXIS Slimシリーズは非常に有力な選択肢の一つになると思います。

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