アメリカン・エキスプレス・カード(通称「アメックスカード」)には、直系のプロパーカードと他社との提携カードの2種類があります。
一般に『アメックス・グリーン』と呼ばれるカードは、そのプロパーカードの中でも最もベーシックで年会費も一番安いカードです。
そして、同じ価格・ランク帯に提携カードの『ANAアメックスカード』というカードがあります。
ANAアメックスカードは、名前から分かる通りANAマイルを貯めることに特化したアメックスカードだと予想できます。
しかし、実際に使い勝手を比較したらどちらの方が使いやすいのか?
この記事ではアメックスグリーンとANAアメックスの違いをANAマイラー目線から比較していきます。
目次
アメックスグリーンとANAアメックスの違い
年会費の違い
カード名 | 年会費 |
---|---|
アメックス・グリーン | 12,000円(+税) |
ANAアメックス | 7,000円(+税) |
最も重要な年会費を比較します。
なんと年会費はグリーンの方がANAアメックスよりも5,000円も高いです。
アメックス・グリーンとANAアメックスは、どちらも100円のカード利用につき1マイルが貯まるカードです。
そのことを考えると、この時点で少しでも年会費を低く抑えたい人にとってはANAアメックスがおすすめと言えます。
年会費の安さではANAアメックスの圧勝です。
マイルに移行できる航空会社の違い
<アメックスグリーンの交換可能なマイル>
- ANA「ANAマイレージクラブ」
- チャイナエアライン「ダイナスティ・フライヤー・プログラム」
- デルタ航空「スカイマイル」
- ヴァージン アトランティック航空「フライングクラブ」
- タイ国際航空「ロイヤルオーキッドプラス」
- キャセイパシフィック航空「アジア・マイル」
- シンガポール航空「クリスフライヤー」
- ブリティッシュ・エアウェイズ「エグゼクティブ・クラブ」
- スカンジナビア航空「SAS ユーロボーナス」
- アリタリア-イタリア航空「クラブ・ミッレミリア」
- フィンランド航空「フィンエアー・プラス」
- エティハド航空「エティハド ゲスト」
- エミレーツ航空「エミレーツ・スカイワーズ」
- カタール航空「プリビレッジクラブ」
- エールフランス/KLM航空「フライングブルー」
<交換レート>
- ANA:1,000ポイント = 1,000マイル
- その他マイル:1,250ポイント = 1,000マイル
<ANAアメックスの交換可能なマイル>
- ANA「ANAマイレージクラブ」
<交換レート>
- ANA:1,000ポイント = 1,000マイル
ANAアメックスがANAだけなのに対して、アメックスグリーンはなんと15の航空会社のマイルと交換することができます。
さらに、アメックスグリーンではマイル以外にも提携ホテルの『ヒルトン・オナーズ』『Marriott BonvoyTM』のポイント・プログラムにも移行することができます。
ポイント交換先の多さでは、アメックスグリーンの圧勝です。
ポイント移行手数料の違い
アメックスカードの獲得ポイントは、そのままでも特典・他社ポイントと交換することができます。
しかし、そのままではポイント還元率は0.5%程度にとどまるため、基本的にはポイント移行オプション『メンバーシップ・リワード・プラス』という有償のサービスに加入します。
もし、ANAマイルに交換することを前提にアメックスカードを発行するとした場合、どちらもオプション加入が必須になります。
アメックス・グリーンでANAマイルを貯める場合
オプション名 | 年会費 |
---|---|
メンバーシップ・リワード・プラス | 3,000円(+税) |
メンバーシップ・リワードANAコース | 5,000円(+税) |
合計 | 8,000円(+税) |
ANA マイレージクラブへのポイント移行の上限は、1年間(1/1〜12/31マイレージ付与完了日)で、
- メンバーシップ・リワード・プラスに未登録の場合:80,000 ポイント(=40,000 マイル)まで
- メンバーシップ・リワード・プラスに登録済の場合:40,000 ポイント(=40,000 マイル)まで
ANAアメックスでANAマイルを貯める場合
オプション名 | 年会費 |
---|---|
メンバーシップ・リワード・プラス | 6,000円(+税) |
合計 | 6,000円(+税) |
ポイント移行の上限はない
ANAマイルを貯めるとしたらANAアメックスの圧勝です。
アメックス・グリーンは、年間8,000円ものオプション手数料を支払って年間4万マイルしかポイント移行ができません。
アメックス・グリーンの方が交換できるマイルの種類が多いからといって、必ずしもメリットばかりではないという点は要注意です。
付帯している保険内容の違い
海外旅行保険の違い
海外旅行保険 (利用付帯) | アメックス・グリーン | ANAアメックス |
---|---|---|
傷害死亡・後遺障害 | 最高5,000万円 | 最高3,000万円 |
傷害・疾病治療費用 | 最高100万円 | |
賠償責任保険 | 最高3000万円 | |
携行品損害 | 年間最高100万円(1旅行につき30万円) | |
救援者費用 | 最高200万円 |
国内旅行保険の違い
国内旅行保険 (利用付帯) | アメックス・グリーン | ANAアメックス |
傷害死亡・後遺障害 | 最高5,000万円 | 最高2,000万円 |
どちらのカードも国内・海外旅行保険は利用付帯です。
保険内容で異なる点は、『傷害死亡・後遺障害』の項目で、アメックスグリーンの方が高い保障額である点です。
とは言え、最も旅行中に利用する可能性のある『傷害・疾病治療費用』はどちらも最高100万円です。
基本的にはほぼ同じ保険内容といってもいいでしょう。
ショッピング保険の違い
ショッピング保険 | アメックス・グリーン | ANAアメックス |
補償額(自己負担1万円) | 500万円 | 200万円 |
ショッピング保険は商品購入から90日間が対象で、免責(自己負担)は1万円です。
旅行保険同様にアメックス・グリーンの方が最高額500万で高く設定されています。
アメックスグリーンにしかない付帯サービスがある
プロパーカードのアメックス・グリーンには、ANAアメックスカードにない付帯サービスがいくつかあります。
リターン・プロテクション
アメックスグリーンにはショッピング保険とは別に、『リターン・プロテクション』というサービスが付帯しています。
【リターン・プロテクション】
アメリカン・エキスプレスのカードでご購入いただいた商品の返品を万一購入店が受け付けない場合、購入日から90日以内の商品の購入金額を払い戻しいたします。※1商品につき最高3万円相当額まで、1会員口座につき年間最高15万円相当額までとなります。
つまり、アメックスカードで買った商品を新品・未使用で返品しようとしたが、お店が応じてくれない時にはアメックスが代わりに対応しますよ、というサービスです。
他社のクレジットカードにはないユニークな保険です。
5千円相当未満の金額の商品に対しては適用されなかったりと細かい規則はありますが、もしもの時も安心できるサービスです。
エアポート送迎サービス
アメックス・グリーンには、海外旅行の出発・帰国時の[空港⇄自宅間]の移動を、提携タクシーで格安の定額料金で送迎してくれるサービスがあります。
<対象空港>
- 成田国際空港
- 羽田空港(国際線利用のみ)
- 関西国際空港
- 中部国際空港
ただし、送迎サービスはアメックスのトラベルデスクにて、旅行の手配をしている場合にのみ利用できます。
プライオリティ・パスが無料
(引用:https://www.prioritypass.com/ja)
アメックス・グリーンでは、通常99米ドルする『プライオリティ・パス』を無料で持つことができます。
『プライオリティ・パス』は、世界1,200箇所以上の空港ラウンジを利用できるため世界的に非常に人気のサービスです。
近年は格安のゴールドカードで入れる空港ラウンジが多々あります。
しかし、『プライオリティ・パス』で入れる空港ラウンジは普通のゴールドカードでは入ることができない上位のVIPラウンジです。
出張・旅行で海外によく行く人にとっては非常に魅力的なサービスではないでしょうか。
新国立劇場でのウェルカムサービス
新国立劇場は、オペラ、バレエ、現代舞踊、などを上演する非常に有名な劇場です。
<特典内容>
- 無料ドリンク券の進呈
- 一般発売の2日前から先行購入可能
- チケット郵送無料
- オペラトークへの無料入場
上記のサービスがアメックス・グリーンには付帯しています。
参照:新国立劇場サービス内容
COTTON CLUB(コットンクラブ)でのウェルカムサービス
COTTON CLUB(コットンクラブ)とは、東京丸の内にあるライブレストランです。JAZZ、R&B/ソウルなどさまざまなジャンルを間近で鑑賞することができます。
<特典内容>
- 毎週金曜日はカード提示でウェルカムドリンクがもらえる
- 年4回のアメックス限定公演に、特別な席にをポイントを使って参加できる
入会キャンペーンはANAアメックスの方が凄い
2019年5月30日時点で開催中の入会キャンペーンを比較します。
アメックス・グリーン:最高12,500ポイント
入会3ヶ月以内に | 獲得ポイント数 |
---|---|
1万円のカード利用 | 500 |
25万円のカード利用 | 2,000 |
50万円のカード利用 | 10,000 |
ANAアメックス:最高29,000ポイント相当
入会3ヶ月以内に | 獲得ポイント数 |
---|---|
1万円のカード利用 | 2,000 |
20万円のカード利用 | 5,000 |
60万円のカード利用 | 21,000 |
+入会ボーナスマイル | 1,000マイル |
入会キャンペーンを比較した場合、ANAアメックスの圧勝です。
両方のキャンペーンの上限のポイントをもらうための条件『3ヶ月で50万円・60万円の利用』というのは、なかなか難しいかもしれません。
しかし、同程度の利用額であってもANAアメックスの方がもらえるポイント数が多く、新規でアメックスカードを作るならANAアメックスの方がおすすめできます。
まとめ:グリーン×ANAアメックス比較!
アメックス グリーン | ANAアメックス | |
年会費 | 12,000円(+税) | 7,000円(+税) |
ポイント移行コース | 3,000(+税) | 6,000円(+税) |
ANAマイルコース | 5,000(+税) | – |
年間上限交換マイル数 | 40,000マイル(ANA) | 上限なし |
家族カード(1枚あたり) | 6,000円 | 2,500円 |
ポイント還元率 | 1% | 1% |
ポイント有効期限 | ・通常3年(1度のポイント交換で無期限に) | ・通常3年(「ポイント移行コース」加入で無期限に) |
国内旅行傷害保険 | 最高5,000万円 | 最高2,000万円 |
海外旅行傷害保険 | 最高5,000万円 | 最高3,000万円 |
ショッピング保険 | 500万円 | 200万円 |
入会ボーナス | – | 1,000マイル |
カード継続ボーナス | – | 1,000マイル |
<ANAマイルに交換するのに必要なコスト(年間)>
- アメックス・グリーン:20,000円(+税)
- ANAアメックス:13,000円(+税)
幅広くアメックスのサービスを受けるならアメックス・グリーンはおすすめです。
しかし、ANAマイルを貯めることを目的とした場合、ANAアメックスの圧勝です。
また、出来るだけ安い年会費でアメックスを持ちたいという人で、ポイントの使い道がANAマイルだけに限られしまう点が気にならないなら、ANAアメックスはおすすめです。
結局は各人の目的次第ですが、『アメックス・グリーン』『ANAアメックス』両方とも高いスペック・特典を持ったカードです。
どちらを選んでも素晴らしいサービスを受けることができるでしょう。
最後にもう一度言うと、ANAマイラーはANAアメックス一択です。
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